今月はたくさん講演させていただきます。
3月になりましたね。今月は桜の花に1年ぶりに会える月です。桜は日本人にとって特別なもの。在宅の患者さんにとっては、いま落ち着いているからといって来年も必ず見れるとは限りません。在宅での訪問診療の際には写真や実物や音楽を交えて季節を感じていただくのですが、そういう意味では今月は特別な月です。
わたしにとっても今月はお話をさせていただく機会に恵まれた月になっています。
昨日は宮崎の在宅医療を牽引してくださっている外山先生の『MCSを用いた多職種ネットワークシステム』の座長をさせていただきました。
自分でまとまったお話をするわけではなく、MCSの案内という意味合いが大きかったので特に目立つ必要もなかったのですが、せっかくの機会なので、
『なぜ多職種連携をするのか』
について、講演のまえにみなさんに問うてみました。
少し前までは多職種連携といえば、『顔のみえる関係づくり』ばかりがクローズアップされていましたが、次のステージに進んでいると考えています。
先日の日本医師会館での研修で印象的だった『system of systems』をいかに実践していくか、また、それぞれの事業所がそれを意識できるかが次の目標ではないかと考えています。
すこし分かりにくくなりました。
なぜ多職種が連携する必要があるのか?
多職種連携が、お互いが仲良くチームを組む事自体が目的になっていないか?ということです。
多職種連携の主役は、中心にいる患者さんです。
患者さんの生活環境の現状、病状、考えられるリスク、予後、だれがサポートするのか、どう過ごしたいと思っているのか。。それをいかに支え、希望を実現していくか、、それに必要なものが多職種連携だと思うのです。
その多職種連携のために、これまでは、対面の担当者会議、電話、ファックス、メール、紙媒体を用いていましたが、それをITを用いて情報共有を行いましょうというものです。
Lineというアプリはありますが、セキュリティの問題があります。セキュリティの高いlineと考えていただければよいかと思います。
これからは、患者さんを中心にそれぞれの事業所がうまく連携をとれるシステムが重要になってきます。それを『system of systems』と言うのだそうです。先日の日本医師会の研修で教えて頂きました。
2025年問題を控え、病院で死ねない時代。また、いたずらに入院できず、在宅医療を受けながら生活していかなくてはならない時代が到来します。
それに向けて、だれがそれを担当するのか、また、患者さん達はだれに担当してもらいたいと思っているのか、それを考えなければなりません。
外来で担当してくださっているかかりつけの先生、あるいは、なんでも相談にのってくれる先生、、それを選ぶのは患者さんであり、国民のみなさんです。
わたしたちは経営者として選ばれる医療機関を目指しますし、逆に国民のみなさんに医療者として健康や生き方、しあわせについて何かを指し示す必要があると考えています。
わたしの考えている医療は、国民が求めるものをただ提供するだけではなく、医療者として健康とはなにか、人生とはなにか、幸せとは何かをともに考え、サポートしていくことではないかと考えています。
診断についてはAIが医療者の仕事を奪っていくことになるでしょうが、情報共有、ネットワーク作りについてはAIやITが協力なパートナーになってくれると考えます。
昨日の座長の話で長くなってしまいました。
3月16日宮崎市佐土原で『看取り』について
3月17日は品川で行われる認知症治療研究会で『わたしの在宅医療』について
3月30日は宮崎市で宮崎薬剤師会で『連携』について
お話をさせていただきます。
みなさまにお会い出来るのを楽しみにしております。