船塚クリニックが大事にしているもの

こんばんは。だいぶ寒くなってきました。
電気ストーブを出さないと朝晩は冷えますね。

実は最近心がざわついていたのです。

最近の保険診療ではヒルドイドや水虫のくすり、目薬などがちゃんと病名をつけていても査定で切られることが多くなってきました。1000円のくすりを処方した場合、3割負担の患者さんなら、300円が自己負担、残りの700円は社保や国保が薬局に支払ってくれます。ただ、クリニックの当方としては、処方箋をつくってお渡しするだけで、そこに利益はありません。しかし、社保や国保の審査のかたが、この薬は必要ないのではないか。。と判断されると、社保や国保からこの1000円がまるごとクリニックに請求がきます。
確かに不要なくすりまで出すと、どこまでも医療費はかさみますから、歯止めは必要ですが、医師のプライドにかけて必要だと判断した薬まで査定されることがあります。
それが、最近ヒルドイドや水虫のくすり、目薬なのです。

皮膚のかゆみや水虫、目の疾患など、皮膚科や眼科に行った方がちゃんと診てもらえるというのはわかりますが、そもそも私の対象患者さんの多くは在宅患者さんであり、皮膚科、眼科にいけるのであれば、そもそも在宅医療が必要でないのではないか。。という話になります。
しかしそこは道理が通らないところです。保険診療をしている以上、受け入れなければならないルールだとわかっています。
そこで、クリニックは経営的に薬がきられると、その分はクリニックの持ち出しになり、馬鹿になりません。そこで、事務方は、ヒルドイドや軟膏、目薬は極力出さないようにして、専門科受診、あるいは市販の保湿剤で対応してもらうようにご家族、施設スタッフに伝えるという方針を出しました。
金額的には小さいのですが、ちいさい穴から全体がほころびかねないので、認めてはいたのですが、自分がやろうとしていることと違和感がありました。それが心のざわつきだったのです。

自分の信じている使命(ミッション)は「社会のリーダーとなり、社会にひとつの指針を示すこと」その小項目として、「あきらめない在宅医療」を輝かせること、「あきらめない在宅医療」にかかわるひとがハッピーであることです。
お金は大事ですが、もっと大事にしていることがあります。保険で切られるから。。という理由で、眼科、皮膚科を受診してくれ、市販薬を買って来てくれ。。では当クリニックの「在宅医療」のブランドが失墜してしまいます。

医師としての誇りとできる限りの知識をもって、その薬が必要か見極めて、病名をしっかりつけ、病名以外にもなぜ必要なのか理由をかき、それでも査定されるのであれば、理由を説明して患者さんに負担して頂くという方針でいこうと提案しました。

スタッフが増え、日常の業務も煩雑になり、ともすると、クリニックの理念が空中分解してしまいかねない雰囲気もありましたが、この問題でうちのクリニックが何を大事にしていくかがスタッフにもすこし伝わったと思っています。

目先の損得に走らず、人が健康で幸せであり続けられるようサポートできるそんなクリニックになりたいと思っています。船塚クリニックのブランド力をしっかりあげていきます。

応援よろしくお願い致します。