K看護師の神の手

久しぶりのブログです。

最近、知り合いのかたが続々と出版され、その影響を感じるにつれ、自分ももし世の中に信を問うようなことがあれば、出版という形でやってみたいと思うこともあり、そのためには日々のブログは大事だな。。と考えております。

ということで、久しぶりのブログなのです。

書くことがないわけではなく、書く対象のかたへの配慮は確かにあるのですが、ひとえに自分への甘えですね。
わたし現在46歳。今年47歳になります。いまの自分は5年前、10年前の自分がいかに考え、行動していたかの結果だと思っております。
とすると、いまの考え、行動が5年後、10年後の自分を決めます。
4人の娘がおり、彼女達にしっかり勉強しなさいとか、ちゃんと挨拶をしなさいとか指導するまえに、親として、人として背中をみせてあげたいと思います。

さて、今日6月24日は娘の小学校のミニバレー大会でした。
何を隠そう、中学、大学とバレーボールをしてましたので、大得意。めっちゃ楽しませて頂きました。
勝ち負けはともかく、参加してくださったチームメイトがそれぞれ楽しかったと思ってくれたはず。

ちょうど試合が終わったころに今日の携帯当番のK看護師より連絡あり。
悪寒がして呼吸状態も悪いとのこと。じつはこのかた1ヶ月前に心不全でかなりの危篤状態。それをなんとか乗り越えて、再びご飯を食べるところまで来ていたのです。
聞くと、どうも誤嚥されたようです。
とりあえず、K看護師が先に駆けつけてくれて、吸引、点滴等の処置をしてくれることになりました。

体育館からもどり出発の準備をしているとK看護師より連絡。
「吸引をしたらたくさん引けました。しかし、呼吸があやしいので、ご家族を呼んで頂きました」
さらに10分後、「呼吸が一回とまりましたが、刺激で再度復活しました。それでも弱いです」

少し遠い施設で片道20分かかります。
もしかするとダメかも。。と思いながら到着すると、呼吸はだいぶしっかりしてきていました。

K看護師がさきにいって吸引してくれていなかったら。。呼吸が止まったとき、K看護師がそばにいて刺激をしてくれなかったら。。K看護師に感謝です。

実はこのK看護師、吸引で何人もの誤嚥、窒息を助けてきているのです。わたしはKマジックと呼んでいます。
でも本当はマジックではなく、いつもその患者さんのことをこころから思いやる、その優しい気持ちが信じられない結果を生んでいるんだといつも尊敬しています。

この患者さん、数ヶ月前に心不全の末期で、お看取り(自然の経過でお亡くなりになるのをお看取りしましょうの意味)で在宅に紹介されたかたです。
食欲はおう盛だったのですが、心不全、繰り返す肺炎で徐々に体力が落ちていました。
当初1ヶ月くらいというのが数ヶ月お元気で過ごされたので、そのまま何もしないというのも一つの選択肢でしょうが、息子さんが県外におられます。「息が止まりました。今日がヤマかもしれません」と伝えると、急いで帰ってこられるとのことでした。
少なくともそこまでは持って欲しいということで、呼吸抑制でアシドーシスに傾いた体液をメイロンで補正。低酸素でダメージをうけたミトコンドリアにソルコセリル、抗酸化agentとしてグルタチオン、意識障害が残っていたので、血流障害と考えてシチコリンを投与しました。

予想以上に反応がよく、22時にご家族が揃って、再訪問してお話をしたのですが、そのときは返事も出来るくらい回復してくださっていました。

息子さんたちも覚悟しておられたようで、まさか話ができるとは、、と感激しておられました。

今回は持ちこたえそうですが、次はどうなるかわかりません。
その方の人生の締めくくりをどうサポートするか、また、どんな形が本人にとって、家族にとって幸せかみんなで考えていかねばなりません。

大変ではありますが、在宅医療の醍醐味だと思っています。